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開催レポート

第3回富裕層観光戦略ウェビナー

第3回富裕層観光戦略ウェビナー
開催日2021年12月22日(水) こちらのイベントは終了しました
開催時刻14:00〜15:00
定員500名
参加条件 無料・事前申込制
主催 一般社団法人ラグジュアリージャパン観光推進機構
後援 一般社団法人東京ニュービジネス協議会
協賛 株式会社クレディセゾン

【見逃し配信予定です。開催当日のご都合が悪い方も、見逃し配信をご希望の方は是非参加をお申し込みください。】

 

知的富裕層向け会員制コンシェルジュサービスを提供しているクラブ・コンシェルジュ。創業以来、お客さまのリクエストと知的好奇心を満たす知的創造を進めてきたのが、一般社団法人ラグジュアリージャパン推進機構 代表理事でもある宮山直之氏です。

今回は、クラブ・コンシェルジュの代表取締役社長として、クラブ・コンシェルジュの取り組みを紹介いただき、18年間、富裕層向けサービス開発に従事してきた実績を踏まえて、これからのラグジュアリー・ツーリズムの展望を語っていただきます。

 

このようなことをお聞きします

  • 会員制コンシェルジュ・ビジネスの全貌 − クラブ・コンシェルジュとは
  • クラブ・コンシェルジュが企画した富裕層向けサービス事例
  • コロナ下での、国内富裕層の関心事とは
  • 海外VIPおもてなし秘話
  • なぜ、ラグジュアリー・ツーリズムなのか
  • 一般社団法人ラグジュアリージャパン推進機構として取り組みたいこと
  • ラグジュアリー・ツーリズムに取り組む宿泊施設や自治体に求めること

 

対象の方

  • 観光戦略を担う自治体・DMO関係者の皆さま
  • 「高付加価値」な観光サービスの提供事業者さま
  • 富裕層の観光需要を獲得したいとお考えの事業者さま、自治体関係者さま
  • そのほか、ご関心のある方
    (意欲のある学生の方の参加も歓迎します)

 

登壇者プロフィール

宮山 直之 氏

クラブ・コンシェルジュ株式会社 代表取締役社長
一般社団法人ラグジュアリージャパン推進機構 代表理事

1980年西日本新聞社入社、87年西日本新聞社東京支社勤務を経て、95年ニューズライン・ネットワーク株式会社IT企業設立。2003年日本の知的富裕層向け会員制サービス、クラブ・コンシェルジュ株式会社設立、代表取締役社長就任。2005年訪日外国人富裕層向サービス、株式会社ラグジュアリージャパン設立、代表取締役社長就任。18年に亘り富裕層ビジネスに従事している。2016年4月スイスヴォー州ワイン協会より世界で二人目のコマンドール勲章受章。

 

クラブ・コンシェルジュについて

クラブ・コンシェルジュは、選ばれた方々に、人生を愉しむための上質なコンシェルジュサービスをご提供しております。

テーマは「ニッポンの贅と美」。日本の文化を知識富裕層の方々にお愉しみいただくことが何よりも文化を支えることになります。クラブ・コンシェルジュは、この素晴らしい日本文化を次世代に引き継ぎ、世界に発信していくためのお手伝いをさせていただいております。

たとえば、花街をあげてのお祭り「都をどり」鑑賞と一見さんお断りのお茶屋での宴、京都・嵐山でのお舟遊び、一般公開していない名刹の特別拝観など、他ではなかなかできないような世界もクラブ・コンシェルジュではご堪能いただけます。

その他にも、大切な方をご自宅でもてなすための一流料理人派遣、さらに最先端医療、大切なお子さまのためのスイス留学とサマースクールのサポートなど、上質なサービスを取りそろえております。

クラブ・コンシェルジュは皆さまの人生をより豊かにするコンシェルジュサービスをお贈りいたします。

 

一般社団法人ラグジュアリージャパン観光推進機構について

一般社団法人ラグジュアリージャパン観光推進機構は、ラグジュアリーツーリズムの振興を目的とした団体です。

国内・海外のバイヤー、セラー、自治体、DMOを対象とした、富裕層マーケット専門のプラットフォーム「Luxury Japan Virtual Travel Market(略称:LJTM)」を主催しています。

 

CONTACT

取材や掲載に関してのご相談はお気軽にお問い合わせフォームよりご連絡ください。

 

開催レポート

一般社団法人ラグジュアリージャパン観光推進機構は、12月22日(水)、第3回目となる「富裕層観光戦略ウェビナー」を開催しました。

 

今回のテーマは、会員制コンシェルジュ会社代表に学ぶ「これからのラグジュアリー・ツーリズム」。本機構の代表理事でもある宮山直之氏は、18年前に会員制のコンシェルジュ会社である「クラブ・コンシェルジュ」を立ち上げ、今日まで知的富裕層を対象にしたさまざまなイベントの企画やトラベル・アレンジメントを手がけてきました。

そんな宮山代表に、クラブ・コンシェルジュの代表取締役社長として、クラブ・コンシェルジュの取り組みを紹介いただき、18年間富裕層向けサービス開発に従事してきた実績を踏まえて、これからのラグジュアリー・ツーリズムの展望を語っていただきました。

 

「クラブ・コンシェルジュ」とは


2003年にクラブ・コンシェルジュ株式会社を設立した宮山氏。同社について「『人生を愉しむためのコンシェルジュサービス』を使命とし、“ニッポンの贅と美”をテーマにさまざまなサービスを提供しています」と語ります。

「日本文化の魅力を富裕層の会員の方々に伝え、日本文化を継承するお役に少しでも立ちたい」という思いで始めたと話す宮山氏。さらに、同時に世界の富裕層に向けても日本文化の魅力を発信したいとの思いから、2005年には訪日外国人富裕層向けのサービスを行う株式会社ラグジュアリージャパンを設立、代表取締役社長に就任しました。

もともと新聞社(西日本新聞社)に勤めていたという宮山氏は、東京で、料亭に行きたくても入れない一方で、料亭がバタバタとなくなっていく現状を目の当たりにして、ミスマッチを感じたそう。そこで、行きたいと思う人が料亭に行くことができて、同時に料亭も守れる仕組みづくりができないかと考えたことがクラブ・コンシェルジュを設立したきっかけになったといいます。

 

「カードを使って決済する仕組みや、弊社からお客さまをご紹介する仕組みを作ってスタートしました。また、そのような仕組みを1冊の会員誌にして、1冊の本ですべてのものが注文できるようにしました」と語る宮山氏。当時はこのようなコンシェルジュサービスを行う会社は他になく、『WORLD BUSINESS SATELLITE』などのテレビ番組で取り上げられたこともあって、一気に知名度が上がったと話します。

会員になると「これまで入れなかった世界に入れるようになります。たとえば、通常は一般公開していない名刹の特別拝観や、一見さんお断りのお茶屋での宴、京都・嵐山でのお舟遊びなどもご堪能いただけます。その他にも、大切な方をご自宅でもてなすための一流料理人派遣や最先端医療のご案内、大切なお子さまのためのスイス留学とサマースクールのサポートなど、上質なサービスを取りそろえております」と話す宮山氏。最近はインターネットにも力を入れているそうで、イベント情報やリザーブ企画などはウェブサイトから直接申し込みができることも明かしていました。

 

魅力的な富裕層向けサービスを提供


続いて、これまでに行ってきたさまざまな企画の中からいくつかをピックアップして紹介する宮山氏。まずは「『すきやばし次郎』の貸切美食会」について、「2019年までの14年半、毎月貸し切っておりました。料理評論家の山本益博さんが実況解説されることもあって、毎回大盛況のイベントでした。こういう、予約の取れないお店をリザーブするという企画は今後も続けていこうと考えています」と話します。

また、「Farm to Table」という、田舎に行って参加者みんなで野菜の収穫をし、料理人が畑で採れた食材を使ってその場で調理してみんなで楽しむという企画を実施したときは、「これには私も非常に影響を受けまして、のちに自分でも畑を作るようになったんです」と明かします。さらに、「地方の旅館やホテルの方も、こういう企画をすると面白いんじゃないかと思います」と提案していました。

 

京都では、「保津川の舟遊びと嵐山吉兆での宴」という毎年恒例のイベントを始め、さまざまなイベントを企画・実施している同社。「保津川の舟遊びと嵐山吉兆での宴」は、「今年も7月に実施させていただくんですが、この“舟遊び”は、船頭さんが川下りじゃなくて、川に上っていくんですよ。竹竿で押していきまして、トワイライト・ゾーンのような、あの世に行くような感じでサーッと上っていく。上流でパッとこちら側の明かりが消えて、芸妓さんのところの明かりがポンとついて、鼓と笛の音が嵐山に響き渡るんですね。これがものすごく幻想的で、本当に雅なイベントです」と説明した上で、「こういったキラーイベントは各地にあると思うんです。だからいろいろと教えていただいて、こういう雅なイベントを新しく作っていきたいと思っています」と、今後の新しいイベントの企画にも意欲を見せる宮山氏。

 

他にも「海外のVIPにも受けると思う」と話す“宇治・平等院の早朝拝観”や「都をどり」鑑賞、「『瓢亭』での宴と天授庵の紅葉狩り」などのイベントを紹介する宮山氏。さらに金沢や広島、山口、福岡などでの同社のイベント企画だけでなく、それぞれの自治体の取り組みなどについても紹介し、その幅広い企画力と取材力を披露していました。

 

さらに、ワインの輸入も手がけている同社。「富裕層はお酒が好きなんですね、特にワインが」と話す宮山氏は、なかでも“食通が最後にたどり着く”と言われているというスイスのシャスラ種ワインに注目したといいます。

「なかなか日本に入っていなかったので、18種類日本に輸入しまして、ホテルや旅館、約100カ所に卸しています。シャスラワインは和食と非常に合うんですよ。いい食事をするにはおいしいワインがないとダメなんですね」と話す宮山氏は、ワイン会も数多く主宰。以前大谷山荘 別邸 音信で開催された「造り手たちと楽しむスイス・ヴォー州シャスラワインと美食の夕べ」では、かなりの売り上げも記録したそうですが、「パーティーというより“文化交流”ですね。ワインを売るというより、宣教師みたいに『おいしいワインがありますよ』と紹介し、普及させていただいてるという感じです」と、あくまで普及に努めていると話します。

 

コロナ禍での新しい取り組み


コロナ禍においては「日本遺産や地方の素晴らしいところをさらに開拓していきたいのはもちろん、今までとは暮らし方がだいぶ変わってきて、田舎で暮らしたいという方もすごく増えているんですね。そういった方々へ、別邸のアレンジなんかもしていきたいと考えています」と話す宮山氏。

また、「みなさんの関心がさらに食の安全・安心に向かう中で、田舎に自分の田んぼや畑を持ちたいというご要望がありまして、京都の与謝野町にある無農薬の有機栽培の田んぼでお米を作ることを会員の方々にご提案して、今は数十人の方が実際にお米を栽培されています。また、糸島では私も畑をお借りしているんですが、あまりにいいものができるんで、もっと貸してくださいといって、うちの会員にもご紹介して、今は300坪のほとんどを貸していただいてます」と、コロナ禍ならではの新たな取り組みについても語っていました。

 

過去には中東の王族などのVIPを接遇したこともある同社。そういった経験を踏まえた上で、これからのラグジュアリー・ツーリズムをどのように考えているのかについて聞いてみると、「これからの世界はラグジュアリー・ツーリズムにシフトしていくと思います。日本でも団体旅行が減ってますよね。ニーズは個人になっている。特に、スモールラグジュアリーホテルには注目しています」と話す宮山氏。

 

「すべてのものが量から質にシフトしている今、“安いものがいい”という時代から、“高くていいもの”を求める傾向に変わっています。だからこそ、今後はスモールラグジュアリーにシフトしたリフォームをした宿泊施設が一人勝ちしていくのではないでしょうか。日本人の富裕層に喜ばれることは海外の富裕層にも同様に受け入れられると思いますので、今後はさらにラグジュアリー・ツーリズムに力を入れるべきだと思います」と、展望を述べます。

「ピンチな時こそチャンス。今は準備をするとき」だという宮山氏は、昨年一般社団法人ラグジュアリージャパン観光推進機構を発足した理由を、「一企業がやるよりも、やはり業界をあげて、みんなでラグジュアリー・ツーリズムに取り組んでいかないとなかなか日本は変わっていかないと思うんです。湯布院が一体となって成功したのはみなさんご存知だと思うんですけど、そのように日本が一丸となって海外の富裕層が行きたいと思うような場所をプレゼンしていかないといけない。これは海外との戦いなんですよ」と力説します。

 

ラグジュアリー・ツーリズムの今後とは


そんなラグジュアリージャパン観光推進機構の主要事業として、LJTM(Luxury Japan Virtual Travel Market)という富裕層マーケット専門のプラットフォームがあるのですが、そこでは「非対面型で、国内外のバイヤーとミーティングできる、そしてブッキングまでできるというのがポイント。要するに商品の決済までできるということです。こういう仕組みは世界中にありません。展示会に行かなくても、1日24時間、1年365日世界と繋がれて、日本のブッキングするところともミーティングできるというのがミソです」と、LJTMのメリットについて説明する宮山氏。

さらに、実際にログイン後の画面を紹介し、参加企業やセラーカンパニー、バイヤーカンパニーなどがどのように表示されているかも簡単に説明します。

 

日本のホテルや旅館が取り組むべき課題について聞かれると「まずは時間の融通や、食事のグルテンフリーやハラルへの対応をお願いしたいですね。また、エクスペディアなどで調べると、ホテルしか出てこないんですが、富裕層が行く場合はホテルや旅館に泊まりに行きたいわけではなく、自然や文化、歴史に触れることが目的で、その上で泊まるのにいちばんいいホテルを探しているんです。ですから、やはりアクティビティを充実させること。これこそラグジュアリー・ツーリズムだと思っていますし、ここが最も僕が訴えたいところです。つまり、文化を売るべきですよ、ということなんです」と話す宮山氏。

 

最後に、自治体にとってラグジュアリー・ツーリズムに取り組む意義について、「京都がオーバーツーリズムになったことから考えても、今後はやはり人数ではなく消費額や経済効果を主要にするべきだと思うんです。したがって、行政にはラグジュアリー・ツーリズムの推進部などを作っていただいて、広島県のような海外と日本をつなぐ取り組みであるとか、歴史・文化の専門家を探したりしていただくと、いろんなところがそれを利用することが容易になりますので、そのような体制づくりをお願いしたい」と期待を寄せます。

「もちろん、ラグジュアリージャパン観光推進機構、クラブ・コンシェルジュとしても、いろんなことを一緒に作っていけたらと思いますので、お気軽にご相談いただければ」と話す宮山氏。コロナ禍でも、国が一丸となってラグジュアリー・ツーリズムに取り組んでいける土壌作りを今後もどんどん進めていく気合いの感じられたウェビナーとなりました。