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開催レポート

第7回富裕層観光戦略ウェビナー

第7回富裕層観光戦略ウェビナー
開催日2023年11月30日(木) こちらのイベントは終了しました
開催時刻14:00~15:00
参加条件 無料・事前申込制
主催 一般社団法人ラグジュアリージャパン観光推進機構
後援 日本政府観光局(JNTO)
一般社団法人 東京ニュービジネス協議会
協賛 株式会社クレディセゾン

【本ウェビナーは終了いたしました】

ニセコ町、倶知安町、蘭越町の3町にまたがる国際的リゾート地「ニセコ観光圏」。そのうちのニセコ町は、「小さな世界都市ニセコ」を掲げ、海外から多くのツーリストや移住者を受け入れ、国際化を進める一方、独自の景観条例で乱開発は認めず、住民と事業者の緩やかな合意形成を前提としたまちづくりに取り組んでおられます。

 

2009年にニセコ町の町長に就任した片山健也町長が目指すのは「持続的な癒しのリゾート」。今回のウェビナーでは、片山町長にこれまでのニセコ町の取り組みと現状、そしてこれからの展望をお話いただきます。

 

対象の方

  • 観光戦略を担う自治体・DMO関係者の皆さま
  • 「高付加価値」な観光サービスの提供事業者さま
  • 富裕層の観光需要を獲得したいとお考えの事業者さま
  • そのほか、ご関心のある方(意欲のある学生の方の参加も歓迎します)

 

プログラム

講  演

「小さな世界都市 ニセコのインバウンド戦略」
ニセコ町長 片山 健也氏

質疑応答

 

登壇者プロフィール

ニセコ町長 片山 健也氏 

1953年、北海道生まれ。東洋大学法学部卒。民間会社を経て、ニセコ町役場入庁。
職員時代に札幌大学法学部及び同大学院法学研究科非常勤講師、国土交通省地域振興アドバイザーなどを務める。2009年、ニセコ町長就任。現在、国民保養温泉地協議会会長、全国首長連携交流会共同代表等。

 

主催者 / 一般社団法人ラグジュアリージャパン観光推進機構について

一般社団法人ラグジュアリージャパン観光推進機構は、ラグジュアリーツーリズムの振興を目的とした団体です。国内のラグジュアリーホテル・旅館・レストランのBEST10を顕彰する「Luxury Japan Award」や富裕層マーケット専門のプラットフォーム「Luxury Japan Virtual Travel Market(略称:LJTM)」を主催しています。

開催レポート

一般社団法人ラグジュアリージャパン観光推進機構は、2023年11月30日にニセコ町長片山健也氏を講師に迎え、第7回となる「富裕層観光戦略ウェビナー」を開催しました。

1953年北海道生まれのニセコ町長片山健也氏は、東洋大学法学部卒業後民間会社を経て、ニセコ町役場入庁。職員時代に札幌大学法学部及び同大学院法学研究科非常勤講師、国土交通省地域振興アドバイザーなどを務め、2009年にニセコ町長就任しました。現在、国民保養温泉地協議会会長、全国首長連携交流会共同代表等を務め、ニセコのインバウンド戦略に取り組んできました。

 

ニセコの概要と現状

札幌から車で2時間ほど。豊かな自然に囲まれたニセコは、人口約5,100人。うち500人ほどはさまざまな国からの移住者です。
四季に富み住みやすく、国土交通省の一級河川清流日本一に連続して選ばれた尻別川と、住民に愛されるニセコのランドマーク、羊蹄山を内包しています。近年、俱知安町パークハイアット、ニセコ町リッツカールトンなどの5つ星ホテルが開業し、今後はモイワ地区にアマンが進出するなど観光地区としての進化が続いています。

 

危機からの脱却、世界から愛されるニセコへ

1991年 観光の危機

バブル崩壊や景気低迷により、ニセコ地区の宿泊数は69万から31万宿泊数へと落ち込んだ時代がありました。当時、観光を盛り上げるべく町と町民が50%ずつを出資して立ち上げたのが、ニセコリゾート観光協会です。さまざまな顔を持つニセコの魅力を伝え、ひとりでも多くの方にニセコファンになっていただくことをモットーに、国内外からの観光客誘致に努めてきました。また観光協会の有志では、観光地として安定した人気を誇るフランスのパリが周辺諸国からのリピーターが多いことに着目し、海外観光客誘致協議会を設立。24年ほど前から韓国、香港に向けたPRを行ってきました。

開発が進む一方で、当時バックカントリースキーで発生する雪崩で死傷する事故が多発していました。この問題を解決すべく関係者や住民有志らがニセコ雪崩調査所を設立し、2001年に「ニセコルール」を設けました。スキーヤーの滑走の自由を尊重しながら、最低限の規制を設けた日本初のバックカントリーに関するローカルルールです。このルールのベースになっているのは、ニセコ雪崩研究所所長の新谷暁生さんが発信する「ニセコなだれ情報」。利用客は「安全な日」と「雪崩の危険がある日」をこの情報で判断し、安全な日はゲレンデ内に設置された専用ゲートから出て、10項目のニセコルールに則って自己責任の下バックカントリースキーを安全に楽しむことができるようになったのです。
さらに、国立防災科学技術研究所と連携した雪氷災害対策強化などの活動が広く知られるようになり、生活圏至近で世界に誇るパウダースノーに出会える場所として、ニューヨークタイムズなど、世界のメディアでも取り上げられていきました。
新谷暁生さんは2014年、スキー界への貢献が認められ、スキー界のオスカー賞と称されるワールドスキーアワードを世界で初めて個人で受賞。このことが、ニセコが世界から羨望を集めるウインターリゾートして認められるきかっけのひとつとなりました。

 

外国人にもやさしく、持続する町ニセコへ

国際的な観光地へのステップアップとして、ニセコでは3か国語を操る外国人職員を招聘。海外からの来訪者のリクエストに迅速に対応できる体制を整え、それぞれの国の価値観に合わせた情報の提供なども高い評価を得ました。また、インターナショナルスクールを誘致し、幼少期から外国人と交流できる環境も整えました。
年々増加を辿るインバウンド需要により、冬の観光客がかつての夏季なみに増加しています。これからはリピーターだけでなく集客力の底上げを狙っています。具体的には、将来を見据えた「景観・環境規制」を“共感”に基づく「良質な投資」にするため住民説明会を行い、“持続する観光地”を目指すと片山氏は語ります。

20年前に作られた総合計画に記された「世界の人がニセコに来た時に人間の尊厳が守られ、世界標準の生活ができるようになり、誇りをもって住める街にしている」の文言。これを目標に、ニセコ町は日々成長を続けています。

 

官民連携の街づくり会社の展望

ニセコ町は社会と経済と環境を自立させ、総合的な最適化を図りSDGsの課題に取り組む一環として、慢性的な住宅不足を救うための新会社「株式会社ニセコ町」を設立。持続可能なまちづくりを官民一体で行っています。また、世界のどこで暮らしていてもPC1台で経済活動や生活が可能な「デジタルノマドビザ」の発行についても、国に対して提言を行っています。

片山町長は最後に、安定的な財源のための宿泊税の提案、タクシー不足の解消、旅先納税の導入など、街としての魅力を高めリピーターを増やすための様々な展望を掲げ、「ぜひニセコに遊びにきてください」と締めくくりました。

雪崩死亡事故
https://www.town.niseko.lg.jp/iju/role_model/case3/

ノマドビザ、宿泊税等

https://www.town.niseko.lg.jp/koho_niseko/r5/r0504/text/

 

https://www.niseko-ta.jp/about/ https://www.niseko-ta.jp/about/